〔5〕美しいものを美しいと感じる感覚を大切にしたい
子どもたちの世界は、いつも活き活きとして新鮮で美しく、驚きと感激とに満ち溢れています。
もしも私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力を持っているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見張る感性」を授けて欲しいと頼むでしょう。
妖精の力に頼らないで、生まれつき備わっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮に保ち続けるためには、私たちが住んでいる世界の喜び、神秘さなどを子どもと再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、少なくともひとり、そばにいる必要があります。
私は、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭を悩ませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちが出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や智恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。
美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものに触れたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたび呼び覚まされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。
消化する能力がまだ備わっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切り開いてやることのほうがどんなに大切であるかわかりません。
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